1995年に放送が開始され、社会現象を巻き起こしたアニメ「エヴァンゲリオン」。
同作は今月21日からNetflixにて世界190カ国で配信が始まったのですが、
いくつかの変更に対し、海外ネット上では不満の声が殺到しています。
海外で大きな非難の対象となっている点は2つ。
まず1つは、エンディングに「Fly Me to the Moon」のカバーが流れない点。
一部報道によると、フランク・シナトラなどもカバーしたこの楽曲は、
米国ではライセンス料が高すぎるため、見送られたそうです。
そして特に論争を呼んでいるのが、2つ目の、翻訳の問題。
「好意に値するよ」という、シンジに向けられたカヲルのセリフが、
これまでの翻訳、「Worthy of my love(愛するに値する)」から、
日本版に近い「Worthy of my grace(好意に値する)」に変更され、
また、同じくカヲルの「I love you」も「I like you」に差し替えられています。
単純に作品への敬意を欠いた誤訳と考える人に加え、
同性愛的要素を意図的に排除していると捉える人も多いことから、大荒れに。
批判以外にも、日本語の「好き」を英語に翻訳する事の難しさを解説する声など、
様々な反応が寄せられていましたので、その一部をご紹介します。
海外「なんて論理的な言語なんだ」 日本語の構造を簡易化した図が外国人に大好評
翻訳元
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ 私は"Love"が適当だったと思う。
英語の"Like"はそこまで強い愛の表現ではないし、
カヲルの想いを汲み取った翻訳ではないと思うから。
+2 イギリス ■ より正確で、言葉本来の意味を優先した翻訳じゃない?
+75 国籍不明 ■ 翻訳において正確性と逐語は同一ではない。
+1037 イギリス ■ たしかにこれは、文字通りに訳したことで、
意味合いが大きく違ってしまったケースかも。
+460 アメリカ ■ 初めてエヴァを観る妻と一緒にNetflixで観返してる。
カヲルが「好きってことさ」といった直後に妻は、
「ああっ、2人はゲイなのね」って言ったよ。
彼女は"like"でも2人の関係を理解した。
文脈や会話から感じ取ったんだよ。
+8 ウェールズ ■ このふざけた翻訳もそうだけど、
「Fly Me to the Moon」がなくなったのも許せない。
+213 アメリカ VIDEO ■ カヲルは日本語ではどういう表現で"like"を伝えたの?
+2 国籍不明 ■ 「sukitte koto sa」。
だから定石通り翻訳すれば"like"でいいんだと思う。
少なくとも間違った訳し方ではない。
だけど二人の関係性とかを考慮するなら、
"love"にするべきだったと思う。
+147 マレーシア ■ 「suki」って"Like"よりも強いけどね。
日本のカップルは「suki」って伝えるし。
+284 アメリカ ■ 観た。個人的にはシンジはカヲルに愛情を抱いていたと思う。
だからこの場合は"Love"だろうな。
アメリカ ■ 「suki」の翻訳は結構難しいよ。
だからNetflixを完全に責める気にはなれない。
HUNTER×HUNTERでの翻訳ミスは絶対に許さないけど。
アメリカ 海外「千年前の歌詞って本当?」 君が代の翻訳歌詞が外国人に大好評 ■ 初めて観たけど、別に"love"じゃなくて"like"でも、
2人が互いに特別な感情を抱いてる事は分かったけどなぁ。
アメリカ ■ 「suki」は文章によって意味合いが変わる。
英語の"Love"も同様に文章次第。
でも"Grace"を使うのは不適切だったと思う。
+1 インドネシア ■ 本当にすごく好きだったら「daisuki」になる。
でもカヲルは「suki」に留めてるからなぁ。
カナダ ■ この件がネット上で大きな論争になってるのは、
シンジがゲイなのかどうかハッキリしてないからだろ。
でもシンジは明らかにゲイじゃない。
+2 アメリカ ■ シンジはアスカを性の対象として見てたわけだからね。
アメリカ ■ こんな些細な翻訳の違いを誰が気にしてるんだ?
"like"だろうが"love"だろうがストーリーには関係がない。
国籍不明 ■ そのうち2人はいとこにされちゃうんじゃないか?
+193 国籍不明 (※セーラームーン北米版では、諸事情により、
恋愛関係にあるセーラーウラヌスとセーラーネプチューンが、
いとこ同士という設定に変更されている。)
海外「日本は常に進んだ国だった」 北米版セーラームーンの差別的な規制が話題に ■ 「ガンダムW」でも同性愛的な表現が弱められてた。
アメリカは性の面で抑圧されてるんだよ。
これもその表れだと思うと悲しくなるわ。
+17 アメリカ ■ やっぱりオリジナルの翻訳で観るべきだね。
だってこのカヲルとシンジのシーンは、
エヴァをカルト的な人気に押し上げた要因の1つじゃん。
+6 メキシコ ■ プロットには影響しないし、別にいいんじゃない?
+1 カナダ ■ たぶんああいった同性愛的な要素は、
アメリカじゃ受け入れられないと踏んだんだろうなw
アメリカ ■ 日本語は繊細かつ曖昧な言語だからねぇ。
文脈を捉えないと本質をつかみ損ねることがあるよ。
そのあたりはイギリス英語もそうだけど。
+4 日本在住 ■ 信じられない。2人の関係性は正式に認められてるのに。
+8 アメリカ ■ 翻訳に関する熱い議論が交わされててイイね!
言語オタクたちが生き生きとしてるじゃないか!
+3 カナダ 海外「日本文学は傑作の宝庫」 外国人が人に薦めたい好きな日本の文学作品 ■ 翻訳の問題なんざどうでもいい。
俺の「Fly me to the Moon 」を復活させてくれ!
+16 アルゼンチン ■ LGBTに対する偏見があると言わざるを得ないな。
+179 アメリカ ■ これはどういう事なの!?
どうして表現を変えちゃったの?
"worthy of his grace"なんて表現、誰が使うの?!
+32 ポーランド ■ カトリック教会では使われる表現だよ。
+45 アメリカ ■ スペイン語版の翻訳は正確みたいだ。
「suki」の部分は"I like you a lot"になってる。
+53 国籍不明 ■ これは正確な翻訳だよ。
"like"は「"好"」で、"love"は「"愛"」だから。
+3 アメリカ ■ 日本人ははっきりと自分の気持ちを伝えない人たちだけど、
カヲルは典型的な日本人というわけじゃないんだ。
そもそも彼は自分を人間だとさえ考えていない。
だから僕は、"love"から"like"に変更したことで、
カヲルのパーソナリティーが取り除かれたような、
あのシーンのインパクトが阻害されたような気がする。
+18 メキシコ 「日本人の顔は多様なんだよ」 『アニメキャラ白人説』を論破した画像が話題に ■ イタリアでもこういう事はよくあるよ。
オリジナルは完璧なのに、敢えて新たに翻訳し直すんだ。
+6 イタリア ■ この翻訳の違いは、同性愛嫌悪の問題があるだけじゃなくて、
カヲルとシンジの関係性も壊しちゃってると思う。
カヲルはシンジに「I love you」と伝えた唯一の人物っていう、
その事実が作品には重要だったんじゃないの?
+1156 アメリカ ■ そう、そこ!
シンジは誰からも愛された事がないまま、
って事になっちゃうからね、"Like"だと。
+45 ドイツ ■ いかに酷い翻訳かを認識してる人が沢山いて良かった。
+7 ブラジル ■ このシーンはもともと、日本語でも曖昧な表現になってる。
別に"like"でも本来の意味をなくしてはいないと思う。
+224 アメリカ 「LOVE」のままが良かったという人のほうが圧倒的に多かったです。
個人的には、あそこで「LOVE」はエヴァ的ではなく、
もっと言えば日本的ではない気がするので「LIKE」派ですけど、
英語ネイティブからすると、「LIKE」では意味合いが全く違うはず。
日本的ではないけれど、そこに微妙な感覚的なずれは生じてしまうけれど、
英語では「LOVE」で良かったのかもしれません。
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